あなたは、毎日の食事の際に、ご自分の「手元」をどのくらい意識されていますか?
食事の作法、とりわけ日本文化の象徴とも言える「箸の持ち方」は、単に食べ物を口に運ぶための動作ではありません。
それは、その人がどのような環境で育ってきたのか、どのような品格を持っているのか、さらには「その人の人柄そのものを映し出す鏡」として、意外なほど周囲から見られているものです。
私たち一般人にとっても大切な対人マナーの一つですが、常にカメラに追われ、公の目にさらされ続けている芸能人の方々にとっては、その影響力は計り知れませんよね。
バラエティ番組での何気ない食事シーンや、SNSにアップされた一枚の写真で、「素敵!」と好感度が急上昇することもあれば、逆に「あれ、ちょっと残念……」と幻滅されてしまうことも珍しくありません。
本記事では、その流れるような美しい箸使いで多くの人々を魅了する芸能人の具体例を挙げながら、一方で「残念な持ち方」と指摘されてしまったケース、そして大人になった今からでも実践できる正しい箸の持ち方の基本と効果的な練習方法について詳しく解説します。
箸使いを通して、改めて日本の食文化への理解を深め、ご自身のマナーを見直すきっかけにしていただければ幸いです。
実は、箸を使う文化を含む「和食」は、ユネスコ無形文化遺産にも登録されている世界に誇るべき文化です。
農林水産省も、食育の一環として正しい箸の使い方の継承を推奨しています。農林水産省:ユネスコ無形文化遺産に登録された「和食;日本人の伝統的な食文化」
見る人を魅了する!美しい箸使いの芸能人たち
「育ちが良いなぁ」「礼儀正しくて素敵だなぁ」といったポジティブな評価に直結するのが、美しく整った箸の持ち方です。
ここでは、その完璧な所作で見る人を感嘆させ、好感度を高めている芸能人たちをご紹介しましょう。
まずは女性陣から。
女優の有村架純さん、綾瀬はるかさん、松たか子さんといった方々は、ドラマやCMで見せる食事の姿が常に「綺麗で上品」と絶賛されています。
特に綾瀬はるかさんは、天真爛漫で可愛らしいキャラクターでありながら、手元の所作は非常にしっかりされており、その「清楚なイメージを裏切らない姿」が多くの視聴者から支持される理由の一つでしょう。
男性陣も負けてはいません。
俳優の菅田将暉さん、中村倫也さん、玉木宏さんといった面々も、非常に美しい箸使いの持ち主として知られています。
中でも中村倫也さんは、その落ち着いた丁寧な食べ方が印象的で、彼が持つクールで知的なイメージに、さらに「大人の品格」を上乗せしているように感じますよね。
玉木宏さんに至っては、永谷園のCMで見せるお箸や茶碗の持ち方が「武道のように美しい」と評判になるほどです。
| 名前 | ここが素晴らしい! | 視聴者が受ける印象 |
|---|---|---|
| 平野紫耀 | ヤンチャな外見と上品な手元 | ワイルドなイメージとのギャップが魅力的。「育ちの良さ」を感じさせます。 |
| 芦田愛菜 | 基本に忠実で完璧なマナー | 高い知性と演技力に相応しい、非の打ち所がない所作に安心感を覚えます。 |
| ケンドーコバヤシ | 豪快な芸風と繊細な箸使い | ご両親の躾がしっかりされていたことが伝わり、誠実な人柄が垣間見えます。 |
| 松嶋菜々子 | 優雅で洗練された動作 | ベテラン女優としての貫禄と、女性らしいしなやかさが共存しています。 |
※上記の表は横にスクロールしてご覧いただけます。
このほかにも、梅宮辰夫さんを父に持ち、幼少期から厳しく食のマナーを教えられたという梅宮アンナさんや、マルチな才能を発揮するディーンフジオカさん、岡田准一さんなども、食事マナーの優雅さで高い評価を得ています。
これらの芸能人に共通しているのは、単に「形が正しい」というだけではありません。
食材を慈しむような丁寧さや、同席者への配慮といった「心遣い」が所作の端々に表れている点こそが、視聴者に安心感や好感を与え、その人自身の魅力を一層引き立てる要因となっているのです。
残念な箸使いで話題になった芸能人、そして改善の努力
一方で、箸の持ち方が原因で注目を集め、時には厳しい批判の対象となってしまう芸能人も少なくありません。
しかし、私がここで強調したいのは、失敗すること自体が悪いのではなく、「指摘をどう受け止めるか」が重要だということです。
中には、指摘を真摯に受け止め、改善に向けて努力する姿を見せることで、かえって好感度を上げたケースも存在します。
よく見られる「残念な持ち方」の例
代表的なNGマナーとして挙げられるのが、以下のような持ち方です。
かつて「クワマン持ち」として知られる独特な箸の持ち方をしていた桑野信義さんは、テレビ番組での指摘をきっかけに矯正を決意し、見事に美しい持ち方を習得されました。
その素直な姿勢は多くの共感を呼び、「大人になっても変われる」という勇気を私たちに与えてくれましたね。
また、今や国民的女優の本田翼さんも、以前は「クロス箸」であることを指摘されていましたが、マナー教室に通って改善に努めた結果、その努力が非常に好意的に受け止められています。
俳優の横浜流星さんも、かつては持ち方が安定せず批判されたことがありましたが、2020年頃からは劇的な改善が見られ、多くのファンを安心させました。
| 芸能人 | 指摘された内容 | 世間の反応・その後の展開 |
|---|---|---|
| マギー | SNSの写真で「握り箸」が発覚 | モデルとしての洗練されたイメージとのギャップに、物議を醸しました。 |
| 中尾彬 | 食通キャラなのに「クロス箸」 | 「食通ぶるならマナーも」という厳しい意見が寄せられることに。 |
| 高畑充希 | 独特な指の添え方 | 人差し指と中指を引っかけすぎたり、左手で箸先を持つ姿が指摘されました。 |
| 黒島結菜 | 料理人役での「握り箸」 | 役柄と所作の矛盾が指摘され、ドラマの没入感を削ぐという声が上がりました。 |
これらのエピソードは、箸の持ち方が芸能人にとってどれほど重要な要素であるかを物語っています。
公の場で食事をする機会が多い彼らにとって、マナーへの意識は自身のイメージやキャリアにも直結するため、改善への努力は「プロ意識の表れ」とも言えるでしょう。
今日からできる!正しい箸の持ち方と練習のコツ
「箸の持ち方を今さら直すなんて、恥ずかしいし難しそう……」
そう感じてしまう方もいらっしゃるかもしれませんが、どうか諦めないでください。
いくつになっても正しい持ち方を身につけることは可能ですし、美しい箸使いは、食事をより楽しく、そして周囲とのコミュニケーションを円滑にする一生モノのスキルになります。
正しい箸の持ち方の基本ステップ
ここでは、誰でも実践できる基本の形を分解して解説します。
ここでご紹介する持ち方は、農林水産省が公開している「食育ナビ」などの公的なガイドラインでも推奨されている、最も機能的で美しい基本形です。農林水産省:「食事のマナー」箸の持ち方と動かし方
【STEP 1】上の箸の持ち方(動かす箸)
まず1本の箸を、ちょうど「鉛筆を持つように」握ってみてください。
人差し指の腹と中指の爪の横あたりで箸を軽く挟み、親指の腹を上から軽く添えるようにして押さえます。
この「親指・人差し指・中指」の3本が、主に上の箸をコントロールする司令塔です。
力を入れすぎずリラックスして、手首を固定したまま箸先で数字の「1」を書くように上下させる練習をしてみましょう。
箸を持つ位置は、箸頭(太い方)から3分の1くらいのところがベストバランスです。
【STEP 2】下の箸の持ち方(固定する箸)
もう1本の箸は、動かさない「土台」として機能します。
親指の付け根から薬指の付け根あたりに箸を通し、さらに薬指の第一関節の横あたりで支えます。
そして、親指の付け根にしっかりと乗せて固定します。
小指は自然と薬指の下に添える形になります。
この下の箸は、食事中には基本的に動かしません。
【STEP 3】動かし方の連携
下の箸は固定したまま動かさず、上の箸だけを人差し指と中指を使ってスムーズに上下させます。
この際、親指は上の箸が横にずれないように支えるガイド役として機能します。
箸先を開いたり閉じたりする動き(ピンセットのような動き)ができれば、どんな大きさの食べ物でも自在につまめるようになりますよ。
効果的な練習のコツ
いきなり食事本番で実践しようとすると、焦っていつもの癖が出てしまいがちです。
まずはリラックスできる時間に、以下の練習法を試してみてください。
1. 一本箸トレーニング
最初は2本持たず、上の箸一本だけを正しいフォームで持ち、鉛筆のように上下に動かす練習から始めましょう。
指の筋肉に「正しい動き」を覚え込ませるのです。
2. 輪ゴム活用法(矯正ギプス)
利き手の親指に輪ゴムを通し、一度ねじって8の字にしてから、もう一つの輪を人差し指にひっかけます。
それぞれの輪の中に箸を通すと、ゴムの張力で自然と正しい指の配置に導かれます。
この状態でカチカチと動かす練習をすると、正しい感覚を体得しやすいですよ。
3. ティッシュ持ち上げ練習
軽く丸めたティッシュや、大豆などの豆類を、右のお皿から左のお皿へ箸で持ち上げて移動させてみましょう。
特にティッシュは柔らかく、力加減のコントロールを養うのに非常に効果的です。
また、自分に合った箸の長さを見つけることも大切です。
利き手で親指と人差し指を直角に開いたときにできる長さ「一咫(ひとあた)」の1.5倍が、その人にとって最適な長さとされています。
ちなみに、左利きの方で「箸は右手で使うべき?」と迷う場合は、利き手の使い分けの実例として、黒田みゆは左利き?食事(お箸・フォーク)はどちらの手で使うかも参考になります。
この「一咫(ひとあた)の1.5倍」という選び方は、古くから江戸職人の間でも伝えられてきた基準であり、現在も多くの箸専門店や食育の現場で推奨されている黄金比です。農林水産省:実践食育ナビ「自分に合った箸の長さは?」
まとめ
箸の持ち方は、私たちが日常生活で食事をする上で避けては通れないマナーの一つであり、特に日本ではその重要性が高く評価されます。
芸能人たちの事例を通して見てきたように、美しい箸使いは「育ちの良さ」や「品格」として、その人の魅力を何倍にも輝かせます。
一方で、たとえ過去に間違いがあったとしても、それを受け入れて改善しようとする誠実な姿勢は、新たな魅力として周囲に伝わるものです。
正しい箸の持ち方は、決して難しい技術ではありません。
「綺麗に食べたい」という少しの意識と日々の練習で、誰でも必ず身につけることが可能です。
ぜひ今日から、本記事で紹介した基本の持ち方や練習方法を実践し、ご自身の箸使いを見直してみませんか?
美しい箸使いは、あなた自身の食事の時間をより豊かなものにするだけでなく、一緒に食卓を囲む人々にも心地よい印象を与え、日本の伝統的な食文化を次の世代へと繋ぐ大切な一歩となるでしょう。

