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【なぜ?】香港のビル工事で「竹の足場」を使う理由!強度は大丈夫なの?

雑学

香港のニュース映像や旅行先で、超高層ビルの周りをびっしりと覆う「竹の足場」を見て、衝撃を受けたことはありませんか?

「あんな細い竹で、本当に崩れないの?」「近代的な大都市なのに、なぜ金属製の足場を使わないの?」先日のマンション火災のニュースでも注目されましたが、実はあの竹には、香港という土地柄ならではの「明確な理由」と「驚くべきスペック」が隠されています。
一見すると時代遅れで危険に見えるかもしれませんが、実はコスト、効率、そして柔軟性において、最新の鉄骨足場をも凌駕するメリットがあるのです。
この記事では、香港が竹の足場(バンブー・スキャフォールディング)を使い続ける5つの理由と、気になる強度や火災リスクについて、現地事情を深掘りして解説します。

1. なぜ金属ではなく「竹」なのか?香港独自の5つの理由

香港で竹の足場(広東語で「搭棚(ダーパン)」)が使われ続ける最大の理由は、単なる伝統への固執ではありません。

そこには、極めて合理的な経済的・地理的なメリットが存在します。

また、この竹足場を組む技術(Bamboo shedding technique)は、その歴史的・文化的価値が認められ、香港政府によって「香港の無形文化遺産」リストに登録されています。

単なる工事手法を超え、保護すべき伝統工芸としての側面も持っているのです。

参考:Intangible Cultural Heritage Office – Bamboo Shedding Technique

① コストが鉄製の数分の一(圧倒的な安さ)

最大の理由は、やはり「コストパフォーマンス」です。

香港のすぐ隣、中国本土(広東省など)は竹の一大産地であり、安価で大量の竹を輸入することができます。

金属製の足場を組む場合に比べて、材料費や運搬費を含めるとコストは数分の一で済むと言われています。

物価の高い香港において、建設コストを大幅に下げられる竹は、施主にとっても業者にとっても魅力的な選択肢なのです。

② 狭い香港の街にフィットする「柔軟性」

香港の街並みを思い出してみてください。

狭い路地に高層ビルがひしめき合い、建物同士の隙間がほとんどない場所も珍しくありません。

規格が決まっている鉄パイプの足場では、このような複雑で狭い地形に合わせて組むことが困難です。

一方で竹は、現場で長さをカットしたり、長さを調整したりすることが容易です。

看板が飛び出している雑居ビルや、円形の建物であっても、竹ならばまるで編み物のように形を変えてフィットさせることができます。

③ 驚異的な軽さと組み立てスピード

竹は鉄に比べて圧倒的に軽量です。

そのため、トラックが入れないような狭い場所でも、職人が手で持って搬入することができます。

また、組み立てや解体のスピードも非常に速いのが特徴です。

香港の熟練した職人たちは、1日でビルの数階分を一気に組み上げてしまうほどのスピードを持っています。

工期短縮は、そのまま人件費の削減にもつながります。

ここで、竹と鉄の足場の違いをわかりやすく表にまとめました。

【比較表】香港における「竹足場」vs「鉄足場」
項目 竹の足場(搭棚) 鉄の足場(単管等)
材料コスト 非常に安い 高い
柔軟性 高い(どんな形状も可) 低い(規格がある)
重量 軽い 重い
湿度・錆 錆びない(湿気に強い) 錆びやすい(高温多湿に弱い)
耐火性 低い(燃えやすい) 高い(燃えない)

2. 強度は大丈夫?実は鉄以上のスペックも

「でも、やっぱり竹だし折れそうで怖い」と思う方も多いでしょう。

しかし、建築資材としての竹は、私たちが想像する以上にタフです。

引っ張り強度は鉄に匹敵する

竹の繊維は非常に強靭です。

実は「引っ張り強度」に関しては、同じ重量比で比べると鉄に匹敵、あるいは上回るとさえ言われています。

また、竹特有の「しなり」があるため、強風や衝撃を柔軟に受け流すことができます。

台風が多い香港において、ガチガチに固めるよりも、ある程度しなる構造の方が倒壊のリスクを減らせる場合があるのです。

国家資格を持つ職人「スパイダーマン」の技

もちろん、ただ竹を並べただけでは危険です。

安全性を担保しているのは、香港政府公認のライセンスを持つ職人たち、通称「スパイダーマン」の技術です。

彼らはナイロン製の紐(以前は植物のツル)を使い、独特の結び方で竹を強固に固定します。

この結び目は、重みがかかればかかるほど締まる構造になっており、釘やボルトを一切使わずに巨大な構造物を支えています。

実際に足場を組む職人になるには、香港の建設業界を統括する「建造業議会(CIC)」が実施する技能試験に合格し、登録する必要があります。

この国家資格制度により、技術水準と安全性が担保されています。

参考:Construction Industry Council (CIC) – Trade Test for Bamboo Scaffolder

足場を組む職人は高度な専門職であり、長年の修行を経た「師父(シーフ)」だけが指揮を執れる世界なのです。

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政府による厳格なガイドライン

香港政府の労働局(Labour Department)は、竹足場の設計、設置、メンテナンスに関する厳格な「安全実務ガイドライン(Code of Practice)」を定めています。

現代の竹足場は、単なる慣習ではなく、力学的な計算と政府の管理基準に基づいて運用されています。

参考:香港労働局:竹の足場の安全に関する実務守則

3. 香港マンション火災と竹足場のリスク

メリットだらけに見える竹の足場ですが、最大のデメリットにしてリスクが「火災」です。

先日の香港マンション火災でも、燃え広がる要因の一つとして足場の存在が指摘されることがあります。

乾燥した竹はよく燃える

当然ながら竹は植物であり、乾燥すれば燃料になります。

さらに、竹を結束しているナイロン製の紐も熱に弱く、燃えやすい素材です。

タバコのポイ捨てや、工事中の溶接火花が竹や養生シートに引火し、あっという間にビル全体を包む炎となるケースが過去に何度も起きています。

対策はされているのか?

香港政府もこのリスクは重々承知しており、規制は年々厳しくなっています。

現在は、一定規模以上の工事ではスプリンクラーの設置が義務付けられたり、難燃性のシートの使用が推奨されたりしています。

しかし、古い建物や小規模な改修工事では、依然として安全管理が行き届いていないケースがあるのも事実です。

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竹足場のメリット・デメリットを整理すると以下のようになります。

竹足場のメリット・デメリットまとめ
メリット(選ばれる理由) デメリット(懸念点)
コストが圧倒的に安い 火災に非常に弱い
組み立て・解体が速い 職人の確保が必要(後継者不足)
複雑な地形に対応できる 見た目の恐怖感がある
エコである(自然素材) 定期的な水の散布が必要(乾燥防止)

4. 風水的な意味合いも?「運気」と竹の関係

最後に、香港文化に欠かせない「風水」の視点からも少し触れておきましょう。

香港では、ビジネスや建築において風水(運気)が非常に重視されます。

竹は「成長」「弾力性」「長寿」のシンボルであり、天に向かって真っ直ぐ伸びる姿から、非常に縁起が良い植物とされています。

「無機質な鉄で囲むよりも、生命力のある竹で囲むほうが、建物に良い気が流れる」

そんな風水的な思想も、最新技術が発達した今なお、竹が愛され続ける隠れた理由の一つかもしれません。

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合理的でありながら、ゲン担ぎも忘れない。

これこそが、香港という街の強さとも言えるでしょう。

まとめ:竹の足場は香港の合理性の象徴だった

今回解説した「香港の竹足場」のポイントをまとめます。

  • 理由はコストと柔軟性
    中国産の竹は安く、複雑な香港の建築事情に最適。
  • 強度は問題なし
    引っ張り強度は鉄に匹敵し、国家資格を持つ職人が組んでいる。
  • 火災リスクは最大の課題
    乾燥した竹とナイロン紐は燃えやすく、管理体制が問われている。
  • 文化的な側面
    竹は縁起が良いとされ、香港の風景の一部として定着している。

ニュース映像で火災を見ると恐怖を感じますが、竹の足場そのものは、狭く高温多湿な香港の環境に適応した、非常に優れた技術の結晶です。

次に香港の映像を見る際は、「危ない」という視点だけでなく、「なぜそれが選ばれているのか」という背景にも注目してみてください。

最後までお読み頂きありがとうございます♪

 

 

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