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ドイツ最初のロッジとイルミナティ活動=フリーメーソン活動!?

フリーメイソンの歴史

 

ドイツに最初のロッジ「3 つの地球」

フリーメーソンがイギリスからフランスに伝わった後、急速にヨーロッパ諸国にロッジが拡がっていきました。

 

ドイツに最初のロッジが創設されたのは1737 年で、ハンブルグ、マンハイム、ライプツィッヒ、フランクフルトに拡がっていきましたが、ドイツに伝わったときのフリーメーソンの理解は既にフランスに伝わった後だったので、ほぼ啓蒙主義と同義のものと考えられていました。

 

当時、ドイツ啓蒙専制君主のフリードリッヒ2 世(大王)が1783 年にブラウンシュバイクでフリーメーソンに加入し、彼は1744 年にグランドロッジ 「3 つの地球」 を創設しています。

 

ドイツ啓蒙思想の頂点をなすゴットホルト・エフライム・レッシングが自ら1771 年にフリーメーソンに加入していることからも、フリーメーソン思想と啓蒙思想を強く結びつけて考えられていたことが分かります。

 

ただ、ドイツにおけるフリーメーソン史は、1770 年代に極めて特異な秘密結社を生み出しました。 その秘密結社とは、インゴルシュタット大学の教会法教授のアダム・ヴァイスハウプトが、1776 年5 月1 日にバイエルンで創設した啓明結社イルミナティであります。

 

アダム・ヴァイスハウプトとヴァイスハウプト

彼は、1777 年にみずからフリーメーソンに加入し、イルミナティをフリーメーソンの組織と運営を模して再編しました。

 

ヴァイスハウプトと共にイルミナティの再編に参加したのが、フォン・クニッゲ男爵とヨハン・クリストフ・ボーデで、ともに1764 年にフォン・フントが創設した 「厳しい戒律の儀礼」 に属するフリーメーソンでありました。

 

当時、ユダヤ人はキリスト教徒から迫害を受け、どこにいっても市民権を与えられなかったので、ユダヤ人であるヴァイスハウプトは、社会的な平等主義の徹底と会員の徳性の高揚によって社会改革を目指しました。

 

また、イルミナティは古代の密儀を模範としており、古代や怪しげな雰囲気の好きなヨーロッパの人達の共感を呼び、ヨハン・ヴォルフガング・フォン・ゲーテや、ヨハン・ゴットフリート・ヘルダーなど多くの著名な文学者・知識人の関心を引き付けました。

 

ウイーンのフリーメーソン運動の指導者で、モーツアルトの「魔笛」にも影響のあった鉱物学者イグナーツ・ボルンもヴァイスハウプトのイルミナティの流れを汲んでいると言われています。

 

「Novus Ordo Seclorum(新世界秩序)」

イルミナティ(啓明結社)を結成の日、ヴァイスハウプトは 「Novus Ordo Seclorum(新世界秩序)」 というタイトルの本を出版し、

 

1、すべての既成政府の廃絶とイルミナティの統括する世界単一政府の樹立。

2、私有財産と遺産相続の撤廃。

3、愛国心と民族意識の根絶。

4、家族制度と結婚制度の撤廃と、子供のコミューン教育の実現。

5、すべての宗教の撤廃。

 

という行動綱領を示しました。

 

これに反応し、イルミナティの急進主義に不安をもったキリスト教会は、バイエルン選帝侯を動かして、1784 年にイルミナティ活動の禁止令を出すことに成功し、会員の多くは投獄され、ヴァイスハウプトは国外へ脱出し、一時は2000 名を誇った結社も消滅してしまいました。

 

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イルミナティの活動=フリーメーソンの活動!?

フリーメーソンが国際的陰謀の黒幕であるという通俗的な誤解は、1797 年にバリュエル神父が、 「ジャコビニムスの歴史の覚書」 を出版し、フランス革命とフリーメーソン、イルミナティを結びつけたことに始まります。

 

トルストイの 「戦争と平和」 に於いても、イルミナティの立場に近いことを理由に、主人公ピエールの思想が危険とみなされている場面があり、19 世紀初頭では既にフリーメーソンやイルミナティは危険思想として定着されていた事がわかります。

 

イルミナティが、フリーメーソン史において、特異なポジションを占めているのは、その目的と理想をはっきりと表明し、社会的にも影響力を及ぼした唯一のフリーメーソン組織であるからであります。

 

フリーメーソンは、もともと明確な思想体系を持っていたものではなく、従来の宗教に偏重した思考から、人間の理性や科学技術的思想に移り変わる時代に、上流階級の人々がロッジに集まり議論をしていたというもので、極めてサロン的な交流の場であったものであり、ロッジに集まる人々によって、そのロッジの思想と性格が決定されているのが一般的でありました。

 

そういう意味では、イルミナティは特異な存在であり、フリーメーソン組織の中で活動していたため、外部の人からはイルミナティの活動=フリーメーソンの活動とみなされ、フリーメーソンが国際陰謀事件の黒幕としてみられてしまうようになったのだと思われます。

 

よく陰謀論には、フリーメーソン、イルミナティ、ユダヤがセットになっていますが、キリスト教徒から迫害を受け続けるユダヤ人が、自由と安心して暮らせるための権利を求めて、啓蒙思想を促し、現状の世界壊してしまいたいと思っても何ら不思議ではありません。

 

イルミナティに属するユダヤ人たちが主導し、フランス革命やロシア革命を起こしていったのは現実であると思いますが、フリーメーソンの中に入りこんだイルミナティの問題であり、フリーメーソン組織そのものが企てたものでないことは混同しないように理解しなければなりません。

 

 

くどいようですが、フリーメーソンは陰謀には関係なく、多くの人々がフリーメーソンとイルミナティを混同して生まれている誤解であります。

 

5 月1 日と6 月24 日

また、イルミナティの思想は、共産主義のカールマルクスにも大きな影響を与へ、1886年5 月1 日にアメリカの労働総同盟がシカゴを中心に、8 時間労働制を要求するデモンストレーションがありましたが、何故5 月1 日かの問いに対し、私はイルミナティの結成が1776 年5 月1 日であったからだと思います。

 

西洋社会では、何か事を起こすとき、何がしかに関連のある日を選びます。

 

イギリスで1717 年に最初のグランドロッジができたのが6 月24 日であったことを思い出して欲しいのですが、この6 月24 日は 「聖ヨハネの日(洗礼者ヨハネの生誕日)」 であります。

 

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